平成24年7月15日号
- [公開日:2012年8月1日]
- [更新日:2021年9月1日]
- ID:98
滋賀県指定文化財「木造十一面観音立像(石道寺)」
- 指定日:昭和47年4月1日指定
- 所在地:長浜市木之本町石道

本尊十一面観音立像(重要文化財)の脇にたたずむ、小柄な十一面観音像。かつては己高山(こだかみやま)五箇寺のひとつ高尾寺の本尊だったと伝わります。本尊と同じくケヤキ材による一木造(いちぼくづくり)。内刳(うちぐり=像内をくり抜いて空洞にすること)をしていないので、見た目以上に重さがあります。
平安時代の初め、仏像は身体の各部を極度に誇張して、アクの強い、動きのある表現に変貌しましたが、平安時代の後半にかけてまた穏やかな表現を取り戻していきます。
石道寺のこの観音像はまさにその過渡期、平安時代中期(10世紀末頃)の作と考えられます。ボリューム感を残しながら、明快なくびれをもったプロポーション。端正な顔立ちと、整えられたムダのない衣文線。その引き締まった身体と洗練された表現には、巧みなバランス感覚がうかがわれます。
(『広報ながはま』平成24年7月15日号より)
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