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あしあと

    平成24年11月15日号

    • [公開日:2012年12月26日]
    • [更新日:2021年9月1日]
    • ID:110

    長浜市指定文化財「木心乾漆像十一面観音立像(菅山寺)」

    • 指定日:平成2年4月2日指定
    • 所在地:長浜市余呉町坂口
    菅山寺十一面

    仏像にはその時代、その地域で得られる最良の素材と最高の技術が投入されてきました。特に奈良時代には、銅や石、粘土、漆、香木など、実に多彩な素材が、官営工房の仏師たちによって用いられました。

    そんな最先端技術のひとつが、木心乾漆(もくしんかんしつ)です。木くずを麦漆(むぎうるし)で溶いたペースト状の「木屎漆(こくそうるし)」を木彫の細部にパテのように盛り上げて、手指でこねたりノミで彫ったりする、いわば塑像(そぞう)と木像の表現を兼ね備えた技法なのです。高価な漆を惜しげもなく使うこの技法は、高い技術力と豊かな経済力が求められるため、奈良時代後期から官営工房の衰退した平安時代前期にかけての70年ほどの間しか用いられませんでした。

    都のあった奈良県以外では、わずかに20体ほどが知られるだけですが、そのうち4体がわが長浜市に伝わります。菅山寺(かんざんじ)の十一面観音像は平安時代前期の作ですが、後補の漆箔(しっぱく)や表情に惑わされてはいけません。その内側はまぎれもない木心乾漆像なのです。

    (『広報ながはま』平成24年11月15日号より)