平成25年1月15日号
- [公開日:2013年7月31日]
- [更新日:2021年9月1日]
- ID:114
国指定重要文化財「木造千手観音立像(千手院)」
- 指定日:明治34年3月27日指定
- 所在地:長浜市川道町

平成24年11月、「川道観音」と呼ばれる千手院の本尊千手観音像が、実に16年ぶりに開帳されました。33年目ごとに本開帳される秘仏ですが、その半期にあたる中開帳として公開されました。
丸い顔立ちに太い眉と強い眼差し。深いくびれをもつ上半身と大きくせり出した腹。腰高な脚部に、浅く整然と彫り揃えられた翻波式衣文(ほんぱしきえもん・注)。極めて洗練された像容は平安時代前期の特色を備え、失われやすい脇手には一部当初の御手が残ります。
なぜ秘仏はこうも私たちを惹きつけてやまないのでしょうか。ムラの人たち総出で大法要が執り行われ、全高26mの飾り物(幡母衣・ばんばら)に使うスギ材は関ヶ原から徒歩で運ばれてきたといいます。お練り行道供養の稚児行列には120人もの子どもたちが集まり、日ごろ閑静な集落には参拝者が押し寄せました。川道観音の求心力の大きさと、そのような秘仏を護り続けていく「重み」を垣間見た御開帳でした。
また16年後にお目に掛かりましょう。
(注)大きい波と小さい波を交互に繰り返すような衣の襞(ひだ)のこと。
※写真は千手院ご承諾のもと撮影・掲載しています。
(『広報ながはま』平成25年1月15日号より)
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