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あしあと

    平成25年2月15日号

    • [公開日:2013年7月31日]
    • [更新日:2021年9月1日]
    • ID:119

    長浜市指定文化財「木造聖観音坐像(阿弥陀寺)」

    • 指定日:昭和16年4月30日
    • 所在地:長浜市西浅井町菅浦
    阿弥陀寺聖観音

    奥琵琶湖、葛籠尾半島に位置する菅浦は、淳仁天皇ゆかりの地と伝えます。村の東西の入り口には「四足門」と呼ばれるヨシ葺きの門が残り、また鎌倉時代以来の「菅浦文書」(重文)を伝えるなど、中世の名残を今にとどめる集落として知られています。

    高台に建つ時宗寺院の阿弥陀寺は、もと天台宗と伝え、鎌倉時代に託何上人(たくあしょうにん)が当地を訪れ、時宗を広めてこの寺を開いたといいます。本尊阿弥陀如来立像(重文・秘仏)は、その足ほぞに銘文が発見され、鎌倉時代に活躍した仏師・快慶(かいけい)の弟子、行快(ぎょうかい)の作であることが判明しました。

    本堂左手には、本像(聖観音坐像)と半丈六(はんじょうろく)の阿弥陀如来坐像(いずれも市指定)の2体が安置されています。2体とも現状は素地(きじ)を呈し、気品高く慈悲深い、静かで穏やかな像容を示しています。平安時代も後期12世紀の作とみられ、淳仁天皇の菩提寺と伝える「菅浦山長福寺」(別名・二尊堂)に伝来した像です。まさに菅浦集落の歴史の豊かさを示す、好個の信仰遺産といえましょう。

    (『広報ながはま』平成25年2月15日号より)