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あしあと

    平成25年3月15日号

    • [公開日:2013年7月31日]
    • [更新日:2021年9月1日]
    • ID:121

    滋賀県指定文化財「木造馬頭観音坐像(山門自治会)」

    • 指定日:平成17年4月20日指定
    • 所在地:長浜市西浅井町山門
    山門自治会馬頭

    馬頭観音(ばとうかんのん)は、頭上に馬の頭を戴いて、観音らしからぬ忿怒相(ふんぬそう=怒りの表情)を表します。人びとを救済するためにもろもろの魔障を滅するさまは、馬が濁水を飲み尽くし、雑草を食い尽くすようだといわれます。

    本像は、大ぶりのたくましい馬頭を胸の上からつくり出しているのが特徴です。燃えさかるような髪(炎髪・えんぱつ)に3つの眼と牙をもち、現状では三面六臂(さんめんろっぴ=3つの面と6本の腕)を表しますが、もとは八臂だったと考えられます。脚部は後補(こうほ)ですが、右腰脇から足の付け根を立ち上げていることから、当初から右膝を持ち上げていたと考えられます。赤と黒に塗り分けられたコントラストの強い彩色も後世のものですが、その大らかな木取りや太づくりでゆったりとした重量感のある造形から、平安時代後期(11世紀)の作と考えられます。

    馬頭観音像は湖北から若狭にかけて分布していますが、本像は全国的にみても古例に属し、滋賀県内では現存最古の作例として注目されます。

    (『広報ながはま』平成25年3月15日号より)