『層』211号
- [公開日:2013年7月17日]
- [更新日:2021年9月1日]
- ID:386

木尾館遺跡 第5次調査-建物の柱や溝の跡が見つかりました-(木尾町)

木尾館(きおやかた)遺跡は木尾町にある中世の城館跡として知られています。天守閣などが建っていたような城ではなく、中世の武士が住んでいた居館の跡です。
木尾館遺跡第5次調査は、個人住宅建築にともなう発掘調査です。調査では柱穴や土坑(柱以外の穴など)がたくさん見つかりました。時代は中世で、掘立柱建物(ほったてばしらたてもの=地面に穴を掘って柱を立てた建物)などからなる集落の跡と考えられます。

出土品は土師器皿※1や陶器※2、の破片などが見つかりました。中には、縁の部分が焼けこげており、燈明皿(とうみょうざら※3)として使用した跡が残る土師器皿の破片もありました。
柱穴には柱の根元が残っていました(写真中)。柱は立てられたままの状態で出土しました。上の方は腐ってしまっていましたが、残っているものには運ぶ時に引張るためのひもなどを通すための穴が加工されているものもありました。
溝では土が崩れないように板と杭を用いて土を留めた板柵土留がされていました。(写真下)

※1 土師器 素焼きの焼き物
※2 陶器 窯で焼かれた硬質の焼き物
※3 燈明皿 電気の無かった時代に、明かり用に皿の中に油を入れ、ひもをつけ、火をつけたもの
(平成25年7月10日発行)
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