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あしあと

    平成25年10月15日号

    • [公開日:2014年8月12日]
    • [更新日:2021年9月1日]
    • ID:1610

    重要文化財「木造十一面観音立像(医王寺)」

    • 指定日:明治38年3月27日
    • 所在地:長浜市木之本町大見
    医王寺十一面立像

    目を伏せ、唇を小さく結んだ丸顔からは、平安時代前期特有の厳しさが失せ、穏やかな表情が見受けられます。等身よりもやや小柄な身体は、くびれはありますが、細身で少年のようです。制作年代を示す翻波式衣文(ほんぱしきえもん)は浅めで、整然と等間隔にまとめられています。おおむね平安中期の作風ですが、両肩や股間、足下の衣に繰り返される3つに重ねた逆三角形の折りたたみには古さが感じられます。
    蓮台(れんだい※)には両足を囲む扇形の切れ込みが入っています。これは本像がもともと髻(もとどり)から足下の蓮肉(れんにく)まで一体成形であったことを示しています。しかも内刳(うちぐり)がありません。蓮肉まで含んで一木造(いちぼくづくり)とするやり方は奈良時代から平安前期に流行しますが、湖北の平安立像では向源寺(こうげんじ)十一面観音立像(国宝)と本像のほかにはあまり見られません。台座すれすれで広がる裳裾(もすそ)の表現を彫り上げるのは難しかったことでしょう。
    平安期の古さと新しさをあわせ持つ本像は、9世紀後半の作とも11世紀前半の作ともいわれます。

    ※蓮華の形の台座。外側の花びらが蓮弁、内側の台座が蓮肉。

    (『広報ながはま』平成25年10月15日号より)