 |
|
|
大海道・華寺遺跡出土(長浜市高月町保延寺)
軒丸瓦・軒平瓦
白鳳時代、長浜市保管
大海道遺跡の南端に位置する華寺遺跡からは寺跡は見つかっていないが、小字(こあざ)華寺を中心に多量の瓦が出土したことから、かつて古代寺院「華寺廃寺」があったと考えられている。
単弁八葉蓮華文の「湖東式」軒丸瓦と、複弁六葉蓮華文の「華寺式」ともいうべき軒丸瓦の2種類が出土していることから、まず湖東式軒丸瓦を用いた寺院が7世紀後半に創建され、次いで遺跡内で場所を変えて華寺式軒丸瓦を用いた寺院が8世紀前半に再建されたと想定されている。 |
|
|
 |
|
大海道・華寺遺跡出土瓦類(湖東式) |
|
 |
|
|
大海道・華寺遺跡出土瓦類(華寺式) |
|
|
|
八島遺跡採集(長浜市八島町)
瓦類
白鳳時代、浅井歴史民俗資料館保管(八雲書院)
八島遺跡からは寺跡は見つかっていないが、採集された瓦類や近隣の内保八幡神社(長浜市内保町)に祀られている塔礎石などから、かつてこの地に古代寺院「八島廃寺」があったと考えられている。また木尾窯遺跡(長浜市八島町)には八島廃寺の瓦を焼いたと考えられる登り窯(長浜市指定史跡)も残っている。
軒丸瓦は単弁蓮華文で外区に二重圏文を巡らせる「山田寺式」。蓮弁が立体的で、間弁が蓮弁の外で連続するのが特徴で「八島瓦窯系」とも呼ばれる。これらは田中礎氏が昭和14年(1939)9月に八島救外寺(八島遺跡)で採集したと墨書される。 |
|
|
 
八島遺跡採集瓦類 |
|
|
|
|
|
柿田遺跡出土(長浜市東上坂町)
軒丸瓦・軒丸瓦・丸瓦
白鳳時代、長浜市保管
柿田遺跡からは寺跡は見つかっていないが、朝鮮半島の影響を受けた土器や「獣面文軒丸瓦」という新羅系の特殊な瓦が見つかっていることで知られている。大量の瓦類が出土したことから、かつて古代寺院「柿田廃寺」があったと考えられている。
軒丸瓦は素弁八葉蓮華文で立体的な蓮弁や突き出た間弁が特徴で、平面的な「飛鳥寺式」や単弁の「山田寺式」とは趣が異なる。また凸面(表面)に同心円文をらせん状にスタンプした丸瓦が出土している。 |
|
|
 |
|
|
柿田遺跡出土瓦類 |
|
|
|
大海道遺跡出土(長浜市高月町保延寺)
瓦塔(がとう)
平安時代後期~鎌倉時代、長浜市保管
瓦塔は焼物の小塔で、仏塔の代替や厨子として用いたと考えられている。県内では衣川廃寺(大津市)と大海道遺跡の2か所でしか出土していない。この瓦塔は最上層や最下層ではなく、中間の重層部分の屋根片と考えられる。12世紀末~13世紀初頭にかけての作。
|
|
|
 |
|
|
大海道遺跡出土瓦塔 |
|
|
|
松尾寺遺跡出土(長浜市高月町松尾)
泥塔
平安時代末期~鎌倉時代、覚念寺)蔵
泥塔は小型の土製塔で、木製の2つの笵型を使って成形し素焼きしたもの。泥塔を集めて塚として供養・祈願する泥塔供養が平安時代以降に流行した。県内では8か所で出土。覚念寺の泥塔は笠部・台座が円形のものと方形のものがあり、胴部に梵字を陽刻する。
|
|
|
 |
|
|
松尾寺遺跡出土泥塔(覚念寺蔵) |