重要文化財 金銅鍍透彫華鬘 十一枚 鎌倉時代 神照寺
華鬘は昔、野の草花を紐で環に束ねて仏前に捧げた風習が次第に変化、固定し、こうした形の仏前荘厳具になったといわれている。
 平安時代に入るとぼつぼつ寺院の資財帳などに華鬘のことが見え、平安時代も後期にはいると生花をそのままに捧げる風習はすたれ、今日見るような華鬘の形式がができた。その材質は革製、金属製などがあり、だいたいは団扇形が多い。この華鬘は、水瓶に蓮華を挿したものを一対の相対した文様として金銅に透彫りしたもので、本来のいわゆる華鬘の意義をよく示しており、古風を保ったものであるといえる。
 なおこの華鬘の包袋として文明十三年墨書名を有する麻袋十枚が保存されている。
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