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わたしたちの市の歩み

ふるさとの伝統を守る

茶わん祭り

余呉町上丹生で約5年おきに行われる丹生神社の大祭「茶わん祭」は、茶わんを積み上げた飾りのある 山車だしが巡行するめずらしい祭です。

祭の由来

そのむかし上丹生かみにゅうの「末遠すえとう」という所から出る良質の陶土を使って陶器を創る工人がいて、 その陶土と技を授けられた氏神様うじがみさまへの報恩感謝のため、 陶器を神社に奉納したのが祭の始まりといわれています。始まりは平安時代と見られますが、山車が巡行する今のような形になったのは室町時代といわれています。 昭和36年に滋賀県選択無形民俗文化財、昭和60年に滋賀県指定無形民俗文化財に指定されました。

山車だしの巡行

丹生神社から八幡はちまん神社までの渡御道中とぎょどうちゅうでは、 神輿に続いて、

丹生神社から長刀たち振り、12の役(舞を奉納する舞子)、 道笛、棒振り、小太鼓、鼓、ささらすり、大太鼓、花奴が続き、最後に三基の山車が祭囃子まつりばやし(しゃぎり)も賑やかにひかれます。

三基の山車は素朴な木製の曳山ひきやまですが、足利あしかが時代から伝わる 曳幕ひきまくと江戸時代から残る綴錦つづりにしきの見送り幕をつけ、 山車の上には半年前から身を清めた山作り( 工匠こうしょう)たちが丹精たんせいをこめて山飾りを作り上げます。 山飾りは、歌舞伎や戦記物語から芸題を取り、下人形と宙人形の間に茶わんなどの陶器をつないで10mの高さに積み上げられます。 陶器や人形をつなぐ技は何百年にもわたって受けつがれてきた秘伝で、山作りの人以外は地域の人々も知りません。

祭りのクライマックス

八幡神社に着いて山飾りを支えていたサス(竹の棒)が最後にはずされると、山飾りの人形はゆらゆら揺れて、やがてぴたりと止まります。 そのようすの華麗さと絶妙なバランスに観衆はどよめきます。ここが祭のクライマックスで「湖国ここく奇祭きさい」と言われる所でもあります。
祭囃子(しゃぎり)も、丹生独特の祇園囃子、新車ばやし、神楽ばやしなどで、笛、太鼓の軽快なリズムは郷土色豊かなものです。

資料提供