1. HOME
  2. わたしたちの市のくらし
  3. 安全なくらしを守る
  4. 雪の多い土地のくらし

安全なくらしを守る

雪の多い土地のくらし

豪雪地帯

冬に雪がたくさん降る地方のことを「豪雪地帯」といいます。長浜市は、一部の地域を除いて豪雪地帯に指定されています。

滋賀県内の豪雪地帯指定はこちら

交通を守る

雪の被害から、交通を守るための様々な工夫について見てみましょう。

1.道路の雪を溶かす

消雪パイプ

消雪パイプは、路面地下水を散布して、雪を溶かしたり、道路が凍るのを防いだりする装置です。道路に埋めこ込んだパイプから路上に設置したノズルを通して地下水がで出るようになっています。

ガードレールの下のパイプから、水が飛び出るものもあります。

車道と歩道を分ける縁石ブロックの下から、水が飛び出るものもあります。

  • ブロックのなか中にノズルがあります。

橋の上でも、欄干の横にある消雪パイプのノズルから水が出て、雪を溶かします。

ロードヒーティング設備の橋


橋のたもとにある注意看板

鉄道線路の上をまたぐ橋の道路の表面には、ヒーター線が埋められていて、熱で道路を温めて、雪が積もらないようにします。

2.道路の安全を守る

道路の幅を知らせる除雪ポール

雪が道路にたくさん積もったとき、車の通行や除雪の目印になります。ふだんは反射板だけですが、冬になるとポールを上に伸ばして、中から赤白の除雪ポールがで出てくる仕組みになっています。

道路幅の表示器

雪がたくさん積もっても、道幅がわかるように、道路の端に立ててあり、除雪の時の目印にします。

雪崩を防止する防護柵

山の斜面に積もった雪が、下の道路に落ちてこないようにするための柵です。

チェーン着脱場

道路に雪が積もっている時は、普通のタイヤではスリップしてしまいます。タイヤにチェーンをつ着けたり、外したりするための待避所です。路上でチェーンを着けたり、外したりしていると他の車の通行のじゃまになるからです。

凍結防止剤設置箱

雪が凍ると車がスリップして危ないので、凍結しやすい橋の上や交差点、坂道などに、凍結防止剤が置かれています。
凍結防止剤の袋がそのまま置かれているようなところもあります。

雪が積もりにくい信号機

雪が信号機の上に積もりにくいように、縦型になっている信号機。信号機の上に雪が積もると、信号が見えにくくなりますし、信号機の上に積もった雪が、車や歩行者の上に落ちてくると危険です。

増えてきたLED灯の信号機

LED灯の信号機は薄型になって、信号機の上に雪が積もりにくくなりました。雪が吹きつ付けるような場所には、着雪防止の透明なフードが付いたタイプの信号機もあります。

3.道路の雪を取り除く

雪の道路の交通を確保するための除雪車

除雪トラック

主に国道を除雪するトラックの除雪車です。1車線を除雪し、雪を道路の左の方に押し退けます。トラック型の除雪車は、他の車が渋滞しないように、道路を走るスピードが速いのが特徴です。

ロータリー除雪車

前の赤い部分が回転して雪をかき込み、道路の横へふき飛ばす、ロータリー除雪車です。道路の近くに建物などがない場所(集落から集落への道など)で使われます。 また積雪が多く、道路の横に押し退けた雪がたくさんたまってきた時などに、道路の幅を広げるためにも使われます。

まわりに雪を飛ばせない場所ではダンプカーの荷台に雪を積んで、川などに雪を運んで捨てます。

歩道用除雪車

せまい歩道は、小さなロータリー除雪機を使って除雪をしています。

ホイールローダー

生活道路の除雪に使われているホイールローダーという除雪車です。冬は除雪作業に使われ、他の季節は土木作業に使われます。自治会で係や当番を決めて地区内の生活道路の除雪作業を行います。

商店の駐車場などの除雪に使われる小型のホイールローダーは小回がきくので、せまい場所の雪をどけるのに便利です。

家庭用の小型除雪機

家の周りや通路の除雪に使われる家庭用の除雪機です。家が建て込んでいて、周りに雪を飛ばす場所がないところでは使えません。

建物を守る

たくさん降り積もった雪から、建物を守るための様々な工夫を見てみましょう。

雪囲い

冷たい北風が吹き付けるのを防いだり、積もった雪が窓ガラスや縁側のガラス戸を押しつぶしたりしないようにします。材木で柱や桟を組み、塩化ビニールの波板を張って家の周りを囲みます。

屋根雪下ろし

屋根に積もった雪の重みで、家がつぶされたり、ひさしが折れないように、屋根に積もった雪を下に落としています。屋根の瓦を傷めないように、少し雪を残しておきます。
スノーダンプという道具を使って、屋根の上の雪を下に落とします。プラスチックやアルミの軽いスコップを使うこともあります。屋根の瓦は、滑りやすいので、慎重に作業をしないと危険です。 雪が降っている時や朝早くなど、気温が低い時にします。気温が上がってくると雪が溶け出して、瓦が滑りやすくなるからです。屋根雪下ろしの作業中に、屋根から落ちてけがをしてしまう事故もあります。

屋根融雪システム

この家の屋根には全く雪が積もっていません。この家の向こうの家の屋根には、雪が積もっています。これは、屋根に雪が積もらないように特別な装置(屋根融雪システム)が取りつけてあるのです。 瓦屋根や青いトタン屋根の上に黒いパイプが何本も取りつけてあります。加熱ユニット(灯油ボイラー)で温めた特別な液体を屋根の上に張りめぐらせたパイプの中に通して雪を溶かし、屋根に雪が積もらないようにしています。

体育館の屋根雪お下ろし

学校の屋根雪下ろしは、PTAの奉仕作業で行われます。体育館は丈夫に見えますが、周りにしか柱がないので、大雪のために屋根がつぶれてしまったこともあります。

玄関に風除室がある家

家の玄関が、北向きになっている家では、出入り口の戸を開けると冷たい北風が家の中に吹きこ込んでくることがあります。この家には、玄関の外側に北風を防ぐためのガラス張りの部屋があり、東側に出入り口があります。

街で見かけた暮らしの工夫

車庫前の消雪パイプ

車庫の出入り口のところに消雪パイプを取りつけてあるお宅です。雪が降ったときに、雪をどけなくても、車の出し入れができます。

玄関前の消雪

「融雪プロテクター」という散水用ホースを水道のホースの先に取り付け、水をまいて降っている雪が通路に積もらないようにしています。

屋根や囲いのあるゴミ集積場

家庭から持ちこまれたごみ袋が、雪にうもれてしまわないように、ごみ袋を入れる箱には屋根があります。また、周りをビニールシートで囲って、横の金アミから雪がふきこまないようにしています。

とんがり屋根の公衆電話ボックス

雪が電話ボックスの屋根に積もらないように、とんがり屋根になっている公衆電話ボックスです。

生け垣や庭木の冬支度

庭木や生け垣に積もった雪の重みで、枝が折れないように、柱を立てて枝を縄で吊り下げたり、縄でまとめてくくったりしています。

庭木や生け垣の木の上にもたくさんの雪がふり積もっています。雪の重みで枝がしなっています。

雪の下の畑の野菜

民家近くの畑の中に、小さな屋根が作られているのを見かけることがあります。畑の上に雪が積もっても、野菜が傷まないように、カヤで屋根が作ってあります。 これなら、雪の下から野菜をほり出さなくても必要なとき、すぐに取り入れすることができます。この他にも、木の板や塩ビの波板、トタン板など、いろいろな材料を工夫して作られています。
雪が降るまえ前に、冬用に残しておく野菜(ネギや白菜、大根など)の上に杭を打って屋根を作ります。
昔は、大雪が降ると交通が途絶え、食料がなかなか手に入らないこともありました。大切な食料を保存するための工夫です。
最近は、大型の除雪機械も増えて、雪がたくさん積もっても近くのスーパーマーケットなどで野菜を買うことができるので、こうした工夫を見ることが少なくなってしまいました。