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長浜の水産業

鮎を育てる(長浜市今町)

びわ湖でもっとも多くとれる鮎を育てている様子を調べてみましょう。

鮎を育てている川瀬さんに話を聞きました

「鮎をどのように育てているのですか」

鮎は1年しか生きられない魚で、年魚とも言われています。琵琶湖に流れる川で産卵し、琵琶湖でプランクトンを食べて大きくなります。 9月に産み付けられた卵は、琵琶湖で育ちますが、11月頃にその稚魚を漁師の人が(えり)でとって、南浜漁港まで運んでくれます。私たちは漁港で鮎を買い付け、食塩を入れた水に移して運びます。 買い付ける鮎の量は、1.5トンです。今町の養殖池に入れた後、少しずつ塩水を抜いて、池の水に慣れさせます。鮎は、新鮮な空気がないと生きられないので、ずっと空気を送っています。 また、えさを決められた時間に池にまくように機械を用意し、えさがなくならないようにしています。

  • 空気を24時間送る装置です

  • 鮎のえさです

  • 地下100mの水を入れています

  • 地下100mの水を入れています

「なぜここで育てているのですか」

養殖池は、全部で11面あります。100トンの池が8面と250トンの池が3面あります。昔は、琵琶湖に近い姉川の河口付近で育てていたのですが、姉川の水が汚れてきて鮎を育てるのが大変になってきました。 そこで、今町に使っていない養殖池があったので、それを利用して鮎を育てています。またここは姉川と草野川の合流地点で地下水が豊富にあります。地下100mの地下水をくみ出して養殖池に入れています。 なぜ地下水を利用するかというと、1年中水温が14.5℃で雑菌(鮎にとってはよくない菌)が少ないからです。

「育てた鮎はどこに出荷しますか」

地元の滋賀県が多いのですが、山梨県や愛媛県、島根県、福井県などへも車で運びます。 11月に池に入れた時は1ぴき0.5gしかありませんが、出荷時には8gに成長します。 1年間に30トンの鮎を出荷していますが、料理屋などに出す食用が20トンで、鮎釣り用に川に放流するものが10トンになっていて、食用が多くなっています。食用は東京にも出荷しています。 川に放流する鮎は、夏の釣りシーズンに合わせるので、4月~6月が多くなっています。

「鮎を育てるのにどんな苦労がありますか」

鮎という生き物相手の仕事なので、気温の変化や大雨、大雪などの自然災害の時には大変です。 ねる時をおしんで鮎の世話をする時もあります。それでも、稚魚で入れても成魚になるのは50%ぐらいです。 また、新鮮な空気がないと死んでしまうので、空気を送るモーターが止まらないように気をつけています。 モーターが止まったときには、ここで電気を作れるように自家発電の機械を備え付けています。

「鮎を育てる喜びは何ですか」

育て鮎をお店に出荷して、そこで食べてもらって「おいしかった」と言われたときが一番うれしいですね。 「ここの鮎はいいよ」と指名していただき、おいしいという評価をいただくと、お客さんに安心して安全に食べていただけるように、がんばらなければという気持ちになります。