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伝統産業

浜仏壇

長浜の伝統的な工芸品である「浜仏壇」。どのような歴史があるのだろうか。

江戸時代中期(1700年代)、日本三大山車まつりの一つである、長浜曳山祭の曳山を型どり、仏壇の様式として藤岡和泉が創案した。
特徴は、一切の接着材・釘などを使用しない構架組立方式であること。屋根は、曳山の屋根の形そのものをした「八ツ棟やつむね」という千鳥破風であること。 千鳥破風の屋根は、本尊の上にも両脇の上にもついており、とても華麗に見える。
また彫刻では、欄間そして、須弥壇など仏壇内部についても塗りを施さずけやきもしくは ひのきの丸彫で白木のまま使用することである。 種類や大きさにもよるが、通常6~7人の職人による分業で製作され、高級品は1年以上の製作期間を要する。

長浜市曳山博物館には、曳山を解体して修理をするドックが設置されているが、ここでは浜仏壇の職人たちの手によって曳山の修理が行われている。
現在の曳山がつくられたのは浜仏壇の普及と時を同じくしており、その後、他の曳山も18世紀から19世紀にかけて、現在の曳山を藤岡和泉一門が作っていった。 曳山の舞台や屋台の造り、唐破風の形や色、前柱の飾り金具、漆塗などの曳山の製造技術は浜仏壇と共通するものが多くある。

現在、「浜仏壇工芸会」には、木地師、塗り師、錺金具師かざりかなぐし蒔絵師まきえし、木彫師という5つの専門職人がおり、脈々と伝わってきた技で、曳山を修理している。