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    安定ヨウ素剤

    • [公開日:2022年6月17日]
    • [更新日:2023年4月5日]
    • ID:11614

     原子力災害によって周辺環境に放出された放射性ヨウ素を呼吸や飲食により体内に取り込んでしまうと、放射性ヨウ素は甲状腺に集積し、数年から数十年後に甲状腺がん等を発症するリスクが高まります。

     安定ヨウ素剤は、放射性でないヨウ素を製剤化したもので、放射性ヨウ素の甲状腺への取り込み量を低減させることができます。

     安定ヨウ素剤は効果のある時間が限られるため、適切なタイミングで服用することが必要となります。

    安定ヨウ素剤の配布について

     原子力災害が発生し、放射性物質の放出により長浜市内で空間中の放射線量率が一定値(20マイクロシーベルト毎時※)を超えると、別の地域への一時移転指示が出ます。

     一時移転の対象となる方は、小学校等の一時集合場所に集まり、そこで安定ヨウ素剤を受け取ってもらいます。

     服用のタイミングは、さらに空間中の放射線量率が上昇する場合等、災害の状況に応じて国が指示します。

    ※平常時の長浜市内の空間放射線量率についてはこちら別ウィンドウで開くからご確認いただけます。

    安定ヨウ素剤の服用について

    服用回数

     服用回数は原則1回となります。

    服用量

    服用量対応表
    対象者ヨウ化カリウム丸ヨウ化カリウム内服ゼリー
    新生児16.3ミリグラム入り1包
    生後1ヶ月以上3歳未満32.5ミリグラム入り1包
    3歳以上13歳未満50ミリグラム入り1丸
    13歳以上50ミリグラム入り2丸

    効能・効果

     甲状腺は、ヨウ素を取り込んで甲状腺ホルモンを作る組織であるため、原子力災害時に放射性ヨウ素を取り込むと放射性ヨウ素が甲状腺に集積されてしまいます。そして甲状腺で被ばくを引き起こし、数年から数十年後に甲状腺がん等を発症するリスクが高まります。

     安定ヨウ素剤は、服用することで血中のヨウ素濃度が高くなり、甲状腺への放射性ヨウ素の集積量を低減させることができます。放射性ヨウ素にばく露される24時間前からばく露後2時間までの間に服用することで放射性ヨウ素の集積の90%以上を抑制、ばく露後8時間であれば約40%の抑制効果が期待できます。しかし、ばく露後16時間以降であればその効果はほとんどありません。また、安定ヨウ素剤の効果は24時間は持続されます。

     このことから、服用は早すぎても遅すぎても十分な効果を得ることはできませんので、服用のタイミングが重要となります。

    服用時の注意事項

    ヨウ素(ヨード)に対する過敏症(アレルギー)の既往歴がある方は服用することができません。


    副作用

     安定ヨウ素剤の副作用として、急性のアレルギー反応と甲状腺ホルモンの分泌異常による中長期的な健康影響が考えられていますが、適量の服用により副作用が生じる可能性は極めて低いとされています。

    安定ヨウ素剤の備蓄について

     長浜市のUPZ※内の幼保園、小中学校、社会福祉施設等に対し、滋賀県がUPZ内人口分の安定ヨウ素剤を備蓄しています。

     長浜市では独自に全人口分の安定ヨウ素剤(丸薬)を湖北病院、長浜病院、長浜赤十字病院に分散して備蓄しています。また、令和4年度中にゼリー剤も備蓄する予定です。


    ※原子力災害対策を重点的に実施すべき地域として、原子力発電所から最大43kmまでの距離で滋賀県が定める地域