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長浜市歴史遺産課の取り組み-建造物-

[2017年6月16日]

ID:264

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有形文化財(建造物)

建造物に対する取り組み内容は、文化財建造物の維持管理と保存修理、未指定歴史的建造物の調査に分けることができます。それぞれについての概要を紹介します。

1.文化財建造物の維持管理と保存修理

現在長浜市内には、古くからの信仰を今なお色濃く残す竹生島の都久夫須麻神社・宝厳寺、近世の真宗寺院の堂々たる伽藍構成を今に伝えている大通寺をはじめとして、50棟(登録有形文化財を含む)、6基(石造塔)の国・県・市指定の文化財建造物があります。

文化財建造物の価値を維持して後世へ伝えていくためには、所有者の方々による日常の適切な維持管理と周期的な保存修理が不可欠となります。

維持管理は、床下や外壁、屋根、防災設備などを日常的に点検し、必要に応じて適切な小修理を実施することによって、文化財としての価値を長く維持することができます。

保存修理は、根本修理と維持修理に大別することができます。前者には屋根や主要構造部である柱、梁、桁、そして基礎に至る部材のすべてを取り外して修理し、再び組み立てる解体修理と、柱や梁、桁などの一部を解体せずに行う半解体修理があります(写真上・中)。後者の維持修理は、屋根葺替と部分修理に分けることができます。屋根葺替は葺材によって周期は異なりますが、瓦葺の場合はおおよそ50~70年周期、植物性材料(檜皮、こけら等)の場合はおおよそ30~40年周期で葺き替えが必要となります。部分修理は、木部や壁、建具などの建造物の一部について行う修理で、屋根葺替の時に合わせて行われることがよくあります。

現在も市内に残されている文化財建造物は、先人の方々のこうした根本修理や維持修理の繰り返しによって、今日まで守り伝えられているのです。例えば、竹生島にある国宝都久夫須麻神社本殿では、最も古い部分は永禄10年(1567)の建築で、今から約450年前のものとなります。中世から近世にかけての修理状況は明らかではありませんが、近年では昭和11年(1926)に解体修理、昭和46年(1971)に屋根葺替(檜皮葺)、そして昨年(2010)に屋根葺替(檜皮葺)が実施され、現在内部の蒔絵等の剥落止めの処置が進められています。このように周期に応じて適切な保存修理が実施され、維持されてきています。

また保存修理は、外観からでは分からない建築技法や建築当初からの変遷を明らかにできる絶好の機会でもあります。このことから、可能な範囲で部材の調査や記録写真撮影(部材の痕跡や修理工程など)、建造物に関連する史料調査を実施し、建造物の修理履歴などに関する資料収集に努めています。

以上のような維持管理・保存修理・修理にともなう資料収集の積み重ねによって、文化財建造物の価値をさらに高められ、後世へ伝えられることになります。文化財保護センターでは、維持管理や保存修理の経費の一部についての支援、また修理にともなう資料収集について積極的に取り組み、保存活用の促進に努めています。

現在進めている主な保存修理事業は、市内元浜町に所在する真宗大谷派本願寺別院の大通寺境内にある長浜市指定文化財建造物の太鼓楼・台所門・鐘楼・山門があります。太鼓楼については平成21年度に修理が完了し、往時の姿に蘇っています。平成22~23年度は長浜城の大手門であったといわれる台所門で、部材をすべて取り外して修理し再度組み立てる解体修理が行われています。平成24年度以降は、鐘楼と山門の保存修理が予定されています。

またこの保存修理事業に合わせて年1回程度、所有者をはじめとする関係者の方々の協力を得て、修理現場の公開も行っています(写真下)。ここでは普段見ることができない修理途中の建造物の姿を市民の方々に公開し、建築的特徴や修理方法などを紹介し、文化財建造物保護に対する理解を深めていただいています。

建造物保存修理風景
建造物修理工程写真
建造物修理見学会写真

2.未指定歴史的建造物の調査

長浜市内には指定文化財以外にも、今なお未指定の歴史的建造物が多数存在しています。文化財保護センターでは、所有者からの要請などによって年間数棟ではありますが、記録保存調査を進めています。

調査内容は、現状平面図の実測、写真撮影、史料調査などを行い、また必要に応じて、歴史的建造物の専門家を現地へ招いて意見を聴取することもあります。これに基づいて当初の平面形式や建築年代の推定、建築的特徴などを明らかにします。

調査結果から特に重要な建造物と判断される場合は、市の指定文化財候補としてリストアップし、諸条件が整えば文化財保護審議会での審議を経て、市の有形文化財に指定されます。

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