琵琶湖に浮かぶ信仰の島・竹生島で展開された弁才天信仰について、島に伝わる名品を紹介・解説しています。内容は、今まであまり知られていなかった地元浅井郡の村々と竹生島との関わりや、北近江の戦国大名浅井氏と竹生島との深い関わりについて、また北近江の地で初めて城持ち大名になった羽柴秀吉の竹生島への厚遇の真意について、さらには浅井郡出身で九州柳川藩32万石の大名になった田中吉政の故郷への思いなど、戦国時代の武将たちが抱いていた竹生島弁才天信仰とはどういったものだったのかを、竹生島に残された資料をたどりつつ解説しています。
毎年4月に開催される長浜曳山祭について、その歴史や文化を関連資料によって紹介するとともに、余呉町の茶わん祭や米原の曳山祭のほか、米原市朝妻筑摩の鍋冠祭や長浜市宮司町春祭の曳山颯々館、そして虎姫町五村の常盤山や、かつて高月町雨森に伝来した曳山などについても紹介。滋賀県湖北地域の曳山祭がたちどころに分かる1冊です。
多数の中世文書が伝え残され、往時の惣村の姿を現代よみがえらせた村・菅浦。菅浦がどのようにして村落の自治を成し遂げていったのかを、関連資料を引用しつつ紹介。特に隣村大浦と土地をめぐって激しく争った様相についてを、当時の近隣諸村の同盟関係や都での訴訟の相関図などを用いて詳説しています。
八木庄(やぎしょう)こと角田庄兵衛(かくだ しょうべい)は、江戸時代中期から明治時代初期にかけて四代にわたり、八木浜村(現長浜市八木浜町)に居住し鋳物の名工として活躍した人物です。八木庄の作品は、三具足など小型の仏具を中心に現在も数多く残され、古物愛好家を中心に非常に珍重されています。しかしながら、その芸術性や技量の高さは漠然とした評価に留まり、体系的な研究や専門的な評価がなされていないのが現状です。この冊子は、謎多き八木庄四代の作品を紹介しながら八木庄の実像に迫ります。
湖北・長浜の地に生まれた石田三成は、長浜城主だった羽柴秀吉にその才能を見出され、やがて秀吉の天下統一事業を支える能吏となってゆきます。三成は佐和山城主として父正継や兄正澄と共に湖北の治世に深く関わり、関ヶ原での敗北後、彼が向かった先もやはり湖北でした。本書では、湖北に残された三成ら石田一族の足跡を資料解説も交えつつ紹介しています。
浅井氏は亮政・久政・長政と3代・50年にわたって、北近江を統治した戦国大名です。最後の当主・長政は、信長の妹・お市を正室に迎えながら、信長と敢然と戦い破れ去りました。長政とお市の間に生まれた茶々・初・小督の三姉妹は、江戸初期の日本の歴史に大きな足跡を残します。この図録では、浅井氏歴代や三姉妹の画像、浅井氏の盛衰や家臣団に関する歴史・美術工芸資料を網羅して紹介しています。浅井氏に関する初めての美術的解説書であり、浅井氏研究の最前線を知ることができる研究書としても活用できます。