一言主2 議長席への敬意
- [公開日:2022年5月2日]
- [更新日:2022年12月20日]
- ID:11424
※広報ながはまに毎月掲載している市長コラム「一言主」です。
議長席への敬意
市長になって初めて経験することがたくさんあります。その一つが「議長席への敬意」です。私は、市長になってから、市議会の議場に出入りする際に、市議会議員の中の多くの皆さんが議長席に向かって一礼しているのを目にしました。議会は、国であれ地方であれ、ヤジや罵声・怒号が飛び交い、批判の対象となることもしばしばです。しかし、議会は、二元代表制の下では、市民の代表が集って議論する場です。その場を指揮する議長に対して、敬意を示すことは、ぜひとも必要なことに思われます。このような敬意を示すことによって、議員は神聖な場に出て、その代表である議長に対して、その指示に従うべきだという心構えができるでしょうし、あってはなりませんが神聖な場を汚す行為に対する是正の気持ちを起こす材料になると思うのです。
実は、私が33年余の間仕事をしていた裁判所の「法廷」も同様のことがいえました。「法廷」では、検察官や弁護士は当事者席に座っていますが、発言する際には必ず直立します。これは裁判所への敬意を示すものです。そして、裁判所の訴訟指揮に不満がある場合であっても、正式に異議を出す場合以外は、どんな歯に衣着せぬ法律家であっても従うのが一般です。これは裁判所への敬意が前提になっています。
市議会議員の中の多くの皆さんが、議長席に向かって一礼している姿を見ると、故郷の市議会に良き慣例が残っており、大変嬉しく思いました。この慣例が形式的なものに終わることなく、実りのある議論をもたらすことを願うばかりです。

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